コラム

帯状疱疹とは?症状・原因・治療を解説

帯状疱疹とは?症状・原因・治療を解説

帯状疱疹とは、体の片側に痛みやピリピリした違和感が出たあと、赤い発疹や水疱が帯状に現れる病気です。原因は、水痘と同じ水痘・帯状疱疹ウイルス(以下varicella zoster virus;VZV)です。子どものころなどに水痘にかかったあと、体内に潜んでいたウイルスが再び活動することで発症します。

帯状疱疹は、早めに治療を始めることで症状の長期化や合併症のリスクを減らせる可能性があります。この記事では、帯状疱疹の症状、原因、うつる可能性、治療、訪問看護での観察ポイントを解説します。

帯状疱疹とは

帯状疱疹は、VZVによって起こる皮膚疾患です。VZVは、初めて感染したときに水痘を発症します。その後、ウイルスは神経節に潜伏し、加齢や疲労、病気、免疫機能の低下などをきっかけに再活性化することがあります。帯状疱疹は、この再活性化によって起こります。

帯状疱疹の特徴は、体の左右どちらか一方に、神経の走行に沿って痛みや発疹が出ることです。胸や背中、腹部に出ることが多いですが、顔や首、腕、足に出ることもあります。

また、皮膚症状だけでなく、神経痛をともなう点が特徴です。

帯状疱疹の初期症状

帯状疱疹の初期症状では、発疹が出る前に痛みや違和感が現れることがあります。東京都感染症情報センターでは、通常、皮膚症状の出現2〜3日前から、かゆみや痛みが出現し、初期には皮膚が赤く腫れると説明しています。

初期症状としては、以下のようなものがあります。

  • 皮膚がピリピリする
  • チクチクした痛みがある
  • かゆみがある
  • 触れると痛い
  • 体の片側だけに違和感がある
  • 発赤が出る
  • 倦怠感の有無
  • 軽い発熱がある

初期には発疹がまだ目立たないため、筋肉痛、肩こり、腰痛、虫刺され、かぶれなどと間違えられることがあります。特に、片側だけにピリピリした痛みが続く場合や、その後に赤い発疹や水疱が出てきた場合は、帯状疱疹の可能性があります。

帯状疱疹の症状

帯状疱疹では、痛みや違和感のあとに、赤い発疹や水疱が現れます。水疱は神経に沿って帯状に並ぶことが多く、数日かけて増える場合があります。

主な症状は以下のとおりです。

  • 体の片側に出る痛み
  • 赤い発疹
  • 水疱
  • かゆみ
  • 皮膚の灼熱感
  • 触れるだけで痛い感覚
  • 発熱
  • 頭痛
  • 倦怠感

多くの場合は適切な治療によって改善しますが、強い痛みを伴うことがあります。また、免疫機能が低下している方などでは重症化し、まれに重篤な合併症を起こすことがあります。最も一般的な合併症として帯状疱疹後神経痛が知られており、発疹が治った後も痛みが残ることがあります。

顔に帯状疱疹が出た場合は、目の症状に注意が必要です。目の周囲に発疹がある、目が痛い、見えにくい、まぶしいなどの症状がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

帯状疱疹の原因

帯状疱疹の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化です。子どものころなどに水痘にかかると、症状が治った後もウイルスは体内の神経節に潜んでいます。その後、免疫機能が低下したときに再び活動し、神経に沿って皮膚症状や痛みを起こします。

帯状疱疹のきっかけになりやすい要因には、以下があります。

  • 加齢
  • 過労や強いストレスなどによる免疫機能の低下
  • がんなど、免疫機能に影響する基礎疾患
  • 免疫を抑える薬の使用
  • 手術や放射線治療

高齢者や基礎疾患のある方では、症状が重くなることがあります。訪問看護や在宅ケアでは、皮膚の症状だけでなく、痛みの強さ、食欲、睡眠、発熱、活動量の変化もあわせて確認することが大切です。

帯状疱疹はうつる?

帯状疱疹そのものが人から人へうつるわけではありません。ただし、VZVへの免疫がない人にウイルスが感染すると、水痘を発症する可能性があります。主に水疱の内容液との接触などによって感染するため、水疱が痂皮化するまでは感染対策が必要です。感染を広げないためには、以下の点に注意します。

  • 水疱をガーゼや衣類で覆う
  • 発疹を触らない
  • 触れたあとは手を洗う
  • タオルを共有しない
  • 水疱が痂皮化するまで接触に注意する
  • 妊婦、乳幼児、免疫機能が低下している方との接触に注意する

訪問看護では、利用者さん本人が発疹を掻把してしまうこともあります。掻把による細菌感染を防ぐためにも、爪を短くし、患部を清潔に保つことが大切です。

帯状疱疹の治療

帯状疱疹の治療では、早期に抗ウイルス薬による治療を始めることで、皮膚症状の治癒を促し、急性期の痛みを軽減することが期待できます。

治療で使われることがある薬には、以下があります。

  • 抗ウイルス薬
  • 解熱鎮痛薬
  • 神経痛に対する薬
  • 外用薬
  • 皮膚の二次感染に対する薬

帯状疱疹は、発症から早い段階で治療を始めることが重要です。片側だけの痛みや発疹、水疱が出た場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに医療機関へ相談しましょう。

帯状疱疹後神経痛とは

帯状疱疹後神経痛(Postherpetic neuralgia:PHN)とは、帯状疱疹による皮疹が治った後も痛みが続き、一般に3か月以上持続する状態を指します。痛みの感じ方は人によって異なり、焼けるような痛み、刺すような痛み、衣類が触れるだけで痛い感覚などがみられることがあります。

日本皮膚科学会によると、帯状疱疹後神経痛は、60歳以上の方、発疹が重かった方、初期の痛みが強かった方に起こりやすいとされています。痛みが長引くと、睡眠、食事、活動量、気分にも影響することがあります。訪問看護では、痛みの部位、強さ、持続時間、生活への影響を確認し、必要に応じて医師へ報告します。

帯状疱疹ワクチン

厚生労働省は、帯状疱疹ワクチンによって帯状疱疹やその合併症を予防できると説明しています。また、2025年度から、65歳の方などへの帯状疱疹ワクチンの予防接種が、予防接種法に基づく定期接種の対象になりました。なお、2025年度から2029年度までの5年間は経過措置として、その年度内に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳になる方も対象です。また、60〜64歳で、HIVによる免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方も対象となります。

日本で定期接種に使われる帯状疱疹ワクチンには、生ワクチンと組換えワクチンがあります。接種対象、接種回数、接種できない方、注意が必要な方はワクチンによって異なります。基礎疾患がある方や免疫抑制剤の投与を受けている方は、接種前に主治医へ相談しましょう。

訪問看護での観察ポイント

訪問看護や介護の現場では、帯状疱疹の症状を早く見つけ、痛みや感染対策、生活への影響を確認することが大切です。

確認したいポイントは、以下のとおりです。

  • 痛みがいつからあるか
  • 痛みの部位
  • 痛みの強さ
  • 体の片側に出ているか
  • 発赤や水疱の有無
  • 発疹の広がり
  • 発熱の有無
  • 食事量や水分摂取量
  • 睡眠や活動への影響
  • 掻把の有無
  • 目の周囲の症状
  • 妊婦、乳幼児、免疫機能が低下している方との接触状況

記録する場合は、以下のように書くと共有しやすくなります。

「昨日から右胸部にピリピリした痛みあり。本日、同部位に赤い発疹と小水疱を確認。発熱なし。衣類が触れると痛みあり。食事摂取は普段どおり。」

「左額からまぶた周囲に発疹あり。目の痛みと違和感の訴えあり。主治医へ相談し、受診することになった。」

このように、痛みの部位、左右差、発疹の状態、目の症状の有無を具体的に伝えることが大切です。

受診を考えたい症状

帯状疱疹が疑われる場合は、できるだけ早めに医療機関へ相談しましょう。特に、以下のような場合は注意が必要です。

  • 体の片側に強い痛みがある
  • 赤い発疹や水疱が出てきた
  • 顔や目の周りに発疹がある
  • 目の痛みや見えにくさがある
  • 発熱や強いだるさがある
  • 痛みで眠れない
  • 発疹が広範囲に広がっている
  • 免疫機能が低下している
  • 高齢者で症状が強い
  • 妊婦や乳幼児と接触する機会がある

額・まぶた・鼻など目の周囲に帯状疱疹が疑われる発疹がある場合は、眼症状がなくても早めに医療機関へ相談しましょう。

まとめ

帯状疱疹は、水痘と同じVZVが再び活動することで起こる病気です。初期症状として、体の片側にピリピリした痛みや違和感が出ることがあり、その後、赤い発疹や水疱が帯状に現れます。

帯状疱疹は、早期に治療を始めることで、症状の長期化や帯状疱疹後神経痛などの合併症を緩和できる可能性があります。片側だけの痛み、発疹、水疱がある場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

訪問看護では、痛みの部位、発疹の広がり、発熱、食事や睡眠への影響、目の症状の有無を観察することが大切です。ワクチンによる予防も選択肢のひとつであり、対象年齢の方や基礎疾患がある方は、主治医に相談して検討しましょう。

監修:飛鳥馬 沙耶(あすま さや)/訪問看護ステーション 管理者
HCU・高度急性期病棟にて約6年間、循環器・心臓外科・脳外科領域を中心とした急性期看護に従事。2023年より訪問看護ステーションの管理者として、在宅医療の現場に携わる。専門領域は、訪問看護・在宅医療、急性期看護。

【参考文献】
● 厚生労働省:「帯状疱疹ワクチン」.https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/vaccine/shingles/index.html,2026/9/7閲覧
● 国立健康危機管理研究機構:「水痘・帯状疱疹の動向とワクチン」.https://id-info.jihs.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-iasrtpc/8223-462t.html,2026/9/7閲覧
● 東京都感染症情報センター:「帯状疱疹 Shingles(Herpes Zoster)」.https://idsc.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/diseases/herpes_zoster/,2026/9/7閲覧
● CDC:「Shingles(Herpes Zoster)」.https://www.cdc.gov/shingles/about/index.html,2026/9/7閲覧
● CDC:「Shingles Vaccine Recommendations」.https://www.cdc.gov/shingles/hcp/vaccine-considerations/index.html,2026/9/7閲覧
● 日本皮膚科学会:「Q11 帯状疱疹とは何ですか?」.https://qa.dermatol.or.jp/qa5/q11.html,2026/9/7閲覧
● 日本皮膚科学会:「Q20 帯状疱疹後神経痛とはどういうものですか?」.https://qa.dermatol.or.jp/qa5/q20.html,2026/9/7閲覧

× 会員登録する(無料) ログインはこちら